Macは現代農業に不可欠な農機具です。
 ネットやメールによる情報収集はもちろん、計画、日誌、経理、経営分析からHPやブログによる情報発信までさまざま。
「マイナーでもいい、やりたいことができれば」
 Macintosh を愛して止まない新規就農者の徒然草です。

気象通報について

 気象通報とはNHKラジオ第二放送で毎日9時10分、16時、22時に20分間放送されている天気図作成のための放送です。
 放送される項目は下記の通りです。
  午前6時、午後12時、午後6時(18時)の時点での
 ・各地の天気:日本周辺54地点の風向、風力、天気、気圧、気温
 ・船舶からの報告:風向、風力、天気、気圧
 ・漁業気象:低気圧や高気圧の位置および気圧、予想進路。前線、海上の風や霧の状況。等圧線の位置。
 を報告しています。

 山や海のように情報取得がままならない地域において、気象通報は次の行動決定のために不可欠な存在でした。、携帯電話やインターネットによる情報収集が手軽にできるようになり、その地域カバー率も上がった現在、その必要性は必ずしも高いとは言えなくなってきています。おそらくは気象関係者や一部のマニアが継続性や趣味の範疇として記録しているに過ぎないのではないでしょうか。

 しかし、情報が取れるからといって天気図を描く技術が失われて良いと言うことにはなりません。まして天気予報は過去の記録や経験から割り出させるものです。ですから継続して記録していくことはとても重要なことです。

  かくいう私も気象通報を聞き始めたのは2010年の12月からです。それも当時中学生の長男が冬休みの課題で取り組んでいたのがきっかけでした。早速、天気図用紙と参考書を買い求め、携帯ラジオで放送を聞きながら描き始めました。

 気象通報を聞いて天気図を作成するために必要なものは、

1.ラジオ
2.ラジオ用天気図用紙
3.筆記用具(ボールペン、鉛筆、色鉛筆、消しゴム)
4.定規・修正液
5.その他

 などです。

 

1.ラジオ
 AMラジオです。NHK第二放送が聞ければ大丈夫です。NHK第二放送の主な周波数は以下の通りです。以下に示した周波数は出力が大きいので、夜間であれば離れた地域でも受信可能と思われます。

札幌 秋田 東京 大阪 熊本
747kHz 774kHz 693kHz 828kHz 873kHz
上記以外の地区についてはNHKのサイトで確認してください。

 

2.ラジオ用天気図用紙
 天気図用紙は(株)クライム気象図書出版より発売されています。初級用のNo.1と中級用のNo.2があり、どちらも50枚綴り一冊630円です。No.1は直接地図に記入していくのではなく、一旦記入欄に記入した後地図へ転記できるようになっています。全くの初心者であればNo.1をおすすめしますが、何回か描き続けていくと(私の場合7回ほど)各地の天気と船舶の報告は直接地図上に記入可能なくらいに達します。
 下の写真は同日同時間の天気図を比較したものです。これを見て分かるように、No.1は記入欄がある分地図スペースが制限されており、太平洋沖や千島沖にある低気圧を網羅できないという不都合があります。特に冬の時期は東方で低気圧が発達することが多いので、すぐにNo.2の必要性を感じることと思います。ですから、ある程度続けていく意思のある方はNo.1とNo.2をいっしょに購入される方がいいと思います。
 また、登山などのアウトドアで使用することを想定した携帯用小型天気図帳といったものも販売されています。こちらは携帯に便利なB5サイズ程度の大きさになっていますが、実際の地図面の大きさはNo.1やNo.2に比べて8割の縮小に抑えられているので、矢羽根や数字を記入する際に若干配慮を要しますがそれほど苦労する感じはありません。それに紙質も厚手になっているので、堅い敷物がない状況下でも使えそうです。両面使用できて28回分記入できます。

No1 No1
No.1(初級者用)
No2.(中級者用)
携帯用小型天気図帳(下。上はNo2用紙)


 用紙は書店の天気関係のコーナーで扱っていますが、おそらくふつうの書店では扱っていないと思います。私の場合、紀伊國屋とか三省堂といった大型書店でしか見つけられませんでした。近くに大型書店がない場合はAmazonを初めとするネット販売を利用するといいでしょう。

 

3.筆記用具(ボールペン、鉛筆、色鉛筆、消しゴム)
 各地の天気および船舶からの報告は消しゴムで消えないようボールペンで描いた方がいいです。その後に低気圧や高気圧、等圧線を記入していきますが、これらは鉛筆で描いていきます。そして低気圧は赤の色鉛筆、高気圧は青の色鉛筆で表示します。また前線を記入する際も紫、赤、青の色鉛筆を使用します。

 

4.定規・修正液
 ほとんど使用することはありませんが、定規は慣れないまでは等圧線の間隔を決める際に使用します。修正液はボールペンで書いた字を修正する際に使用します。

 

5.その他
 最初の内は放送の速さになかなかついて行けないと思いますから、何度も聞き直せるように録音した方がいいでしょう。ラジカセがあれば 簡単ですが、PCの入力端子とラジオのイヤホン端子をオーディオケーブルで繋いで録音することも可能です。
  MacであればQTAir(OS10.4以下ならQTRex)というソフトが簡単に使用できておすすめです。予約録音も可能です。Winの場合はここらから適当なソフトを探してください。

(2013年2月追記)
 その後、ラジオもネットで聞くことができるようになりました。民放ラジオは「Radiko.jp」、NHKは「らじる・らじる」から配信されているので、専用のアプリケーションをインストールするだけでカンタンに楽しめます。ちなみにわたしが使っているのはBradikoというソフトです。
 Bradikoは「Radiko.jp」も「らじる・らじる」どちらもサポートしているので、これひとつあれば不自由はありません。わたしはやっていませんが録音も簡単にできそうですから、定時に聴くことができない方は試してみてはいかがでしょう。

 

参考サイト

 天気図を作成するにあたり、不安なのは本当に正しく描けているかだと思います。
 天気図は気象庁が作成していますから、それと照らし合わせてみることも可能ですし、実際に気象通報を聞いて描いた天気図をクゲールさんが公開しています。それらと比較して等圧線の間隔や位置を把握してください。
 また、毎日22時に放送される18時の気象通報を文字記録にしたデータが突ちゃんのサイト上にアップされています。ラジオを聞き漏らしたり聞き取れなかった場合の助けになります。

 気象庁天気図(最新24時間分のみの速報天気図)
 気象通報データ(過去1週間分のみ(下部「各地の観測値と低気圧や前線の位置」))
 HBC専門天気図(過去2週間分の速報天気図)
 3776net(クゲールさん手描きの天気図)
 突ちゃんのコツコツ気象通報データ(毎日18時の気象通報データを掲載しています)
 ラジオ天気図にチャレンジしてみよう(ラジオ気象通報を聞いて天気図の描き方)
 Mac de 農業ブログ (気象通報エントリーを適宜掲載しますので参考にしてください)

 ※Windows用ですが天気図作成ソフトWether Chart Editor(シェアウェア)というものもあるようです。

 



Designed by CSS.Design Sample